スーパーライザーとは直線偏光近赤外線治療器のことです。大学病院、ペインクリニック、リハビリ科、眼科、皮膚科などの病院をはじめ、スポーツ分野でもスーパーライザーが使われています。また、不妊治療を行っている鍼灸院などでも使用されているところが増えてきています。

ペインクリニックなどでは、痛みの治療に星状神経節ブロックを行うこともありますが、星状神経節ブロックは、副作用が強く、医師でも技術が必要となるため、誰にでも行える注射ではありません。そこで、副作用もなく、簡単に星状神経節ブロックの効果を期待できる方法はないか?と開発されたものがスーパーライザーという直線偏光近赤外線治療器になります。

直線偏光処理した光は傷を治す力があると言われており、 近赤外線は体の中に一番深くまで届く光で、多くの症状や病気の治療に使用され、様々な効果が期待されています。

スーパーライザーを導入した理由

京都で勤務し始めたとき、そこでは、不妊、過敏性腸症候群や頭痛などの自律神経疾患、突発性難聴やめまいなどの耳鼻科疾患、腰痛や肩こりなどの運動器疾患などほぼ全てにスーパーライザーが併用されていました。学生時代には、見たことも聞いたこともありませんでしたが、安全性も高く、併用することでいい治療となる信頼のおけるものだと思いました。『開業するときは絶対導入しよう』と勤務時代から考えていて、同時期に働いていたスタッフともそのような会話になったことがあります。スーパーライザーは、鍼では刺激を与えることが難しい部分にも働きかけることができます。 

スーパーライザーの特徴

人の手が届きにくい深部まで赤い光(近赤外線)が届いて血行を改善し症状を緩和する効果が期待できます。また、神経に直接作用してストレスなどで緊張している神経を平常な状態に戻すことにより多くの病気への治療効果が期待できます。たとえば、ストレスを受けたとき、交感神経と副交感神経の2つある自律神経のうち、交感神経が興奮し血管を縮めます。それにより、酸素や栄養素などが運ばれにくくなり、様々な痛みや身体の変調などが起こる原因のひとつになるのです。このような症状を和らげるためにスーパーライザー照射を治療のひとつとして行います。 

照射方法

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は P1010098.jpg です

ユニット(先端の黒い照射部分)を患部や頸部の星状神経節近傍に照射(赤い光)します。照射時間は1部位5分~10分程度で、 照射している間はゆっくり横になっていただいています。 照射の目的は、温めることではなく血行を良くすることですので、赤い光により照射部分が熱くなり過ぎて痛くなることのないように照射していきます。

左画像が実際のスーパーライザーになります。ユニット(先端の黒い照射部分)が2本ありますので、同時に2ヶ所に照射することができます。

星状神経節ブロックの適応症

スーパーライザー照射による研究がすすんで、様々な研究発表が報告されています。スーパーライザーは、星状神経節ブロックと同じ効果を期待して作成された治療機器なので、星状神経節ブロックの適応症をご紹介させていただきます。

[支配領域]    

帯状疱疹、反射性交感神経萎縮症(カウザルギー、幻肢痛、断端痛)   

[頭部疾患]

末梢顔面神経麻痺(ベル麻痺、ハント症候群、外傷性顔面神経麻痺)、 顔面痛(非定型顔面痛、咀嚼筋症候群、顎関節症)

[眼疾患]

網膜血管閉塞症、網膜色素変性症、視神経炎、角膜潰瘍、緑内障、アレルギー性結膜炎、飛蚊症、眼精疲労

[耳鼻科疾患]

アレルギー性鼻炎、急性・慢性副鼻腔炎、突発性難聴、メニエール病、鼻閉症

[口腔疾患]

抜歯後痛、舌痛症、潰瘍性口内炎

[上肢疾患]

上肢血行障害(レイノー症、レイノー症候群、急性動脈閉塞症、バージャー症)、頸肩腕症候群、外傷性頸部症候群、胸郭出口症候群、肩関節周囲炎、術後性浮腫(乳房切断後症候群)、骨折、テニス肘、腱鞘炎、頸椎症、腕神経ニューロパチー、(外傷性、術後)、強皮症、関節炎、多汗症、凍傷、 凍瘡、肩こり

[その他]

痔核、便秘、不眠症、冷え性、自律神経失調症

[ 神経ブロック法]若杉文吉監修より

スーパーライザーの適応として、星状神経節ブロックでの適応を参考にしてありますので、上記には記載がありませんが、最近は、不妊治療にも使用されるところが増えてきました。詳しくは、不妊とスーパーライザーをご覧ください。